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石川 日本
北陸随一のいで湯の街、山代温泉にある老舗宿「あらや滔々庵(とうとうあん)」。藩政時代、前田家の藩主が入湯の宿として創業者に湯番頭を命じて以来、十八代の歴史を数える老舗宿です。かつて宿主であった十五代源右衛門は、当時まだ無名の芸術家であった魯山人に看板などを発注し、彼の生活を支えたといわれています。静かに存在感を放つロビーの看板も北大路魯山人のもので、彼の作品は、館内の至る所で見ることができます。 この宿の魅力の一つである源泉掛け流しの温泉は、地下わずか数10メートルのところから湧出していて、宿名にもある「滔々」という言葉は、温泉が勢いよく湧き出すあり様を表しています。この宿の源泉の湯量は1日約10万リットルで、山代随一を誇ります。 客室から望む山庭は、寛永時代に作られたもの。全国から集められた自然石と銘木で築いた「山畔池泉式」と言われる様式で、今も当時の面影を残しています。半露天風呂付き客室では、季節ごとに姿を変える自然を眺めながら、入浴を楽しむことができます。